「韓国へ移住する日本人が増加」韓国のメディアが相次ぎ報道

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昨年発生した東日本大震災を受け、生活環境に不安を感じた日本人が韓国に「環境移住」する動きがあると、韓国のメディアが報じている。

「環境移住」とは、地球温暖化により引き起される食糧不足や、地震・洪水・噴火などの自然災害、原発などによる環境汚染を避けるため、居住地を他の国へ移すことを指す。韓国の報道では、最近の日本では個人や中小企業が海外に拠点を移し、「環境移住」するケースが密かに増えているのだという。

韓国メディア「ソウル新聞」によると、栃木県で酒類メーカーを経営するカトウさんは、会社の一部を韓国に移して家族も韓国に移住させる計画だという。昨年から続く地震や、福島第一原発事故による放射能汚染への心配が止まないことから、韓国に移り住むことを決めたのだそうだ。カトウさんは、「私の周りでも、韓国や東南アジアに家族と会社の一部を移そうと考えている人は数人いる」と話す。

また、韓国で日本酒輸入業を経営するソ・ジョンフンさんも、「地震や原発の事故を受けて心理的な不安から海外に目を向ける日本人が増えてきている」、「韓国の南海岸に会社の一部を移そうとする中小企業が多いと聞いた」と日本から韓国へ環境移住する人は着実に増えてきているのだと語った。

このような報道を受けて、韓国の地方自治体や民間企業はさっそく動き始めている。韓国中部・忠清北道の地方自治体の関係者は、「○○地域は、清州空港から近く交通の便が良いため企業には丁度良い場所。自然環境もすばらしく、外国人専用居住地として申し分ない」と話し、投資誘致に積極的な姿勢を見せている。

京畿道義王市の在外同胞国際貿易タウン推進委員会の関係者も、「昨年、大阪や名古屋で投資説明会を開いた時にそんな(日本企業や一部の国民が韓国に移住したがっているような)感じを受けた」とし日本での移住の動きを感じ取っているようだ。

これまで日本ではあまり聞くことのなかった「移住」という言葉だが、韓国の報道が事実なら、韓国への環境移住を考えている人は意外と多いのかもしれない。

参照:日人、韓国「環境移住」 - ソウル新聞
参照:[ソウル新聞報道その後]「日本人環境移住」自治体、投資誘致へ - ソウル新聞

(文:林由美)

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